孤独の読書

考える。生き残るために

あやしい彼女

映画を見ると見は

たいていがレイトショーで

2200に始まって、

0時過ぎに終わる、

みたいな感じ。

 

んで夜の街を自転車で

走りながら、

さっきの映画を思い出し、

考える時間にはちょうどいい。

 

夜の街と言っても、

筆者の場合は田舎なので、

ほとんどが車だ。

 

筆者は自家用車をもってないので、

自転車。

夜中の0時に農道を走るのは、

はっきり言って筆者くらいだ。

 

都会の夜なら、

もしかしたらジョギングの

人なんかもいるのかもしれない。

 

でも田舎でジョギングなんかしない。

そもそも日々の労働があるのだ。

農作業とか。

つかれてんのに走るのか?

ってかんじ。

 

まぁ他にいろいろ思惑が

あるのだろうけど。

じゃなかったら、あんな

カッコつけて走る必要が無い。

 

どうせ汗で汚れるのに。

なんでわざわざおしゃれしなければ

ならないのか。

 

つまりデルタEだ。

デルタEを知っている。

そうじゃなきゃ、

そんなことはしない。

 

わかりやすく

受ける商品を作るには、

「個性的なものではなく普通のもので、

高度なものではなく分かりやすいもので、

複雑なものではなくシンプルなもので、

それでいて未だ世界に存在して

いないものを見つけ出すこと

 

みてもらうことが前提なのだ。

 

気づいてもらう

見てもらい

手にとってもらう

 

バカは、バカだから。

バカに気づかせてあげる必要がある。

バカが望む世界を、

こちらは安全圏から、

見せてあげる。

 

これまでの人生で、一度だけ

風俗に行ったことがあって。

 

こういうのも性格が出る。

筆者は決して友達と行きたくはなかった。

 

初体験は知人の誰にも知られず、

ひっそりとやりたかった。

 

堀之内に行った。

店が多い。どこが良いのかよくわからない。

適当な店に、

入るのにすごく勇気がいった。

 

なんだろう、あの感じ。

たとえば、レンタルビデオ屋の

アダルトコーナー。

 

今となってはなんでもない。

でもあの薄いノレン1枚が、

すごく分厚い壁のような気がしていた。

 

まあそういう意味では、

きっと風俗店の入り口も、

そうなのだろう。

 

喉元過ぎれば熱さを忘れる

 

とはいっても初心者君には、

ハードルが高かった。

意を決して、ひとつの店に入った。

 

中は何もない部屋。

まあ実際は椅子があって、

受付の窓口があって。

そこで女を選ぶんだけど。

 

入店したのに、

いちど退店した。

そこがもうダメだ。

 

んでしばらくぶらつく。

別の店にしようか、考えた。

でもなんとなく、

同じ店に入った。

 

理由はわからない。

受付の窓の向こうには

こわそうな男がいて、

女を選ぶメニュー表を出してきた。

 

このなかから選べ、

というわけだ。

いま選択可能な女と、

そうでない女がいた。

 

筆者が選びたい女は、

「いま選べません」と

太く冷たい声で言われた。

 

その時点で心は折れていた。

男は、さきほどから筆者の

動きを見ていたのだろう。

 

不審な客だ、と思っていたに違いない。

でもここまで来たら、

なんとか突破したい。

 

しょうじきすごく帰りたかった。

でも、経験したいという気持ちのほうが

勝った。

 

女の衣装が選べたが、

オプション料金だということだ。

選ばなかった。

 

奥へ行くと、

ビードールの女が出てきた。

正直、かわいくもなんともなかった。

それより今から何が始まるのか、

それを考えるので頭がいっぱいだった。

 

自分が嫌だった。

 

正直に、女に言った、

「こういう店は、初めてだ。

どうすればいいかわからない」

女は、事務的に教えてくれた。

 

まずは風呂に入り、

歯を磨く。

イソジンでうがいをする。

 

筆者は知らなかったのだが、

うがいをするということは、

キスをしたり、

女のカラダに筆者の口が触れる

ことを想定しているのだろう。

 

筆者はもちろん、

口は女にふれなかった。

キスもしなかった。

 

そんな発想がなかった。

それをしなかった自分が、

嫌で嫌でしょうがない。

 

やっけおけばよかった。

そうか、こういう感情になるのか。

これが後悔か。

 

鈴木は偉そうに何言ってるんだ。

 

その後は、ベッドかマットの、

どちらかを選ぶ。

たいていの男はベッドを選ぶそうだ。

 

筆者はマットを選んだ。

ローションプレイというのを、

やってみたかった。

 

マットは壁に立てかけてあり、

女は上手に蹴飛ばして、

大きなマットを寝かせた。

 

筆者も寝て、ローションを

かけられた。

まったく立たなかったし、

射精もしなかった。

 

緊張していたのだろう。

女は何度も腰を振り、

演技をしてくれた。

 

途中で、「もう疲れた」と

言っていた。

 

時間になり、

金を払った。

 

筆者はもう今後、

風俗は行かないなと思った。

 

現在も行っていない。

まあたった1店で判断するのも

どうかとおもうが、

しかし安くないカネを払って

わざわざ堀之内まで行ったのに、

たいしたサービスもしてくれず、

射精もできなかった。

 

まあそれにかんしては

こっちにも問題があるんだろうが。

 

・・・こっちに問題があるのだろうか?

であれば、筆者は風俗と

相性が悪い。

ただ高いだけでなんの特もしない、

そんな場所に行く理由はない。